スバルの「レガシィ」は、1989年に登場して以来、日本国内外で多くのファンに愛され続けているモデルです。その魅力は、四輪駆動(AWD)技術を活かした優れた走行性能、シンプルでスタイリッシュなデザイン、そして実用性を兼ね備えた多用途性にあります。今回は、スバル・レガシィの歴史を振り返りたいと思います。
1. 初代レガシィ(1989年〜1993年)
スバル・レガシィは、1989年に登場しました。初代モデルは、当時スバルが誇る水平対向エンジン(ボクサーエンジン)と、スバル独自の四輪駆動技術を搭載していました。この組み合わせにより、レガシィは優れた安定性と走行性能を発揮し、特に雪道や悪路でのパフォーマンスに強みを持っていました。
また、初代レガシィは、そのデザインが当時の日本車にしては革新的で、エアロダイナミクスを意識した流線型のスタイルが話題となりました。さらに、ツーリングワゴン(ステーションワゴン)のバリエーションも登場し、家族向けの実用性を確保しました。特にツーリングワゴンは、広い荷室と高い走行性能を兼ね備えていたため、人気が高まりました。
2. 2代目レガシィ(1993年〜1998年)
1994年に登場した2代目レガシィは、初代の成功を受けてさらに洗練されました。デザインはよりモダンで力強いものに進化し、エンジンや足回りも改良が加えられました。特に注目すべきは、スバルが積極的にスポーツ性を取り入れた点です。2代目では、ツインターボチャージャー付きのエンジンを搭載した「レガシィGT」が登場し、スポーツカー並みの走行性能を誇りました。
また、安全性能にも力を入れ、衝突安全性の向上が進められました。これにより、レガシィはファミリーカーとしての実用性とともに、安全性も重視した車として位置づけられるようになりました。
3. 3代目レガシィ(1998年〜2003年)
3代目レガシィは、1999年に登場し、さらに高性能化が進みました。外観もより精悍な印象を与えるデザインとなり、特に「B4」シリーズはスポーティさを強調したモデルとして大きな人気を誇りました。エンジンのラインナップも充実し、より多様なニーズに応える選択肢が提供されました。
さらに、3代目では「スバル・アイサイト」の前身となる運転支援技術が搭載され、安全技術の進化も進みました。また、プラットフォームも改良され、走行性能の安定性が増し、快適なドライブフィールが提供されました。
4. 4代目レガシィ(2003年〜2008年)
2004年に登場した4代目レガシィは、スバルがさらに技術革新を進める中で、より洗練されたエクステリアとインテリアが特徴となりました。特に、内装の質感が向上し、豪華さと快適性が増しました。安全技術では、改良されたABSシステムが搭載され、安全性が一層向上しました。
4代目レガシィでは、エコ性能の向上にも注力され、燃費の改善が図られました。また、スバルのシンボルとも言える「水平対向エンジン」の搭載が引き続き行われ、運転の楽しさを損なうことなく実用性を確保しました。
5. 5代目レガシィ(2008年〜2014年)
2009年に登場した5代目レガシィは、スバルが「ブランドの刷新」を目指す中で誕生しました。デザインはより洗練され、力強さを感じさせるフォルムに進化しました。また、燃費性能や環境性能にも大きな改善が見られました。
注目すべきは、「アイサイト」技術が本格的に搭載されるようになったことです。これにより、衝突回避や車線維持支援といった先進的な運転支援システムが実現され、事故のリスクを大幅に減少させました。さらに、スバルの新しいプラットフォームが採用され、走行性能や安全性がさらに向上しました。
6. 6代目レガシィ(2014年〜2020年)
6代目レガシィは、2014年に登場し、エンジンは先代から継続搭載される水平対向4気筒2.5L「FB25」型のみとなり、2.0Lターボエンジン「FA20」型は廃止されました。リニアトロニックにも改良が施され、アクセル開度によって変速特性を切り替えるオートステップ変速制御や6速マニュアルモードのパドルシフトが採用されています。
7.7代目レガシィ(2020年~現在)
現代的なデザインと先進技術を兼ね備えたモデルです。このモデルでは、スバルが開発した「スバルグローバルプラットフォーム」を採用し、より広い室内空間と優れた走行安定性を実現しました。
また、最新の運転支援技術「アイサイト X」が搭載され、さらなる安全性の向上が図られました。さらに、燃費性能や環境性能にも配慮したエンジンが搭載され、低排出ガス車としての評価も高いです。
まとめ
スバル・レガシィは、登場から30年以上にわたって進化を遂げてきました。その特徴は、四輪駆動技術、ボクサーエンジン、そして安全技術を中心に、常に高い走行性能と実用性を両立させてきた点にあります。スポーツモデルからファミリーカーまで、様々なニーズに対応してきたレガシィは、2025年3月31日で販売終了となります。この機会に一度レガシィを検討してみてはいかがでしょうか?